Childen's Story page 

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たいせつな 友達(ともだち) だから



第一章
「大きなネコのお話」


(1)

ちいさな町に なかよしの 4ひきのねずみがいました。

いっぴきめは いつもげんきで 心のやさしい クー。

にひきめは とても泣き虫で こわがりの ルー。

さんびきめは ちょっと くいしんぼうの ミーです

そして よんひきめは おこりんぼうの スーです。

よんひきは いつも パン屋さんのかべの穴から入って 

床に落ちている パンのかけらを さがしに きていました。


(2)

いつものようにパン屋さんのかべの穴からクーとミーとスーが

パンこうじょうから落ちてくる、パンのかけらをさがしにきていました。


今日はどうやら、ルーのすがたがみえないようです。

3ひきはそんなこともおかまいなしにパン屋さんのてもとから

今にも落ちてきそうなパンのかけらをじっとのぞいてみていました。

そのとき!「たいへんだ!!たいへんだ!!」大きなさけび声がします。

さけび声はだんだんと近づいてきました。

3ひきが声のするほうをふりかえって見ると、まるでこわいものを見た

ような顔をしてルーが走ってきました。


(3)

ルーはすごい走りかただったので、いきおいあまってスーにとびついてしまい

ルーとスーはゴロゴロと床に
ころがってしまいました。

「わわわ!!いたい!!」おこりんぼうのスーはカンカンです。

泣き虫のルーはスーにおこられても泣き出すどころか、床にころがったまま

「すごいものを見ちゃったんだよ!!こんなに大きな大きな!!」

スーはこれ以上広がらないくらい両手両足を広げて、立ち上がろうとしました。

両手を広げているので、また
ころんでしまいましたが、なにもなかったかのように

そのままヒョイと立ち上がって「こんなに大きなみたこともないネコをみたんだ!」

ルーはおきあがってすぐにネコのまねをしながら

「それもこ〜んなに大きな目!口も大きくて今にも食べられてしまいそうだったんだ」

それを聞いた3匹は目を丸くしてちょっと間を空けて、いっせいにゲラゲラと

笑い出してしまいました。


(4)

おなかをかかえながらクーが言いました。

「こーんな大きなネコはいるわけないさ、そんなウソにはおどろかないよ」


大きくうなずきながらおこりぎみにスーが言いました。

「うそだな!もしそんなに大きいネコがいたら、おれがかんでやるさ!ははは!」

ちょと離れた所でパンやさんのほうを気にしながらミーが言いました。

「そんなに大きいネコならパン屋さんのパンをぜ〜んぶたべちゃうのだろうね」

だれもルーの言うことをまじめに聞いてくれません。

ルーはかなしくなって涙がどんどんと出てきて、鼻が赤くなるくらいにまで泣いて

しまいました。それに耳もしっぽも真っ赤です。

するととつぜんにくるっと後ろを向いてかべのすきまから外にトボトボと

あるいて出て行ってしまいました。


(5)
「な〜んだルーのやつ!どうせすぐに帰ってくるさ!」

おこりんぼうのスーはプンプンとおこるだけ。少しもしんぱいしてません。

「でも〜 しんぱいだよ。ぼくおいかけてくるよ。ねぇミーいっしょに行こうよ。」

そわそわしながらクーがそう言いました。

ミーはパン屋さんが床にパンくずを落としたのを見て、クーの話も聞かないで壁の穴から

いそいでパン屋さんに見つからないようにパンくずを取りに入って行きました。

おこりんぼうのスーはプンプンとおこりながら、ほかの穴から出て行ってしまいました。

「みんな友達なのに・・・」クーはこまってしまいましたが

どうしてもルーの事が気になるので、ルーをおいかける事にしました。

「ルーまってよ〜」クーはルーが出て行ってしまった壁のすきまから

ルーを追いかけに出て行きました。外は少し雨がふっています。


(6)
だんだんと強くなってくる雨の中をクーは大きな声で

ルーの名前をよびながらさがし歩きました。

「ルー!ルー!!どこにいるの〜ぼくは信じるよ〜ルー!!」

いつもみんなで来るケーキ屋さんにも、ちょっとこわい犬のいるレストランにも

いつも皆で行くところをぜんぶさがしても、ルーはどこにもいませんでした。

あたりはすっかり暗くなってきて、クーはお腹がすいてきました。

「どこに行っちゃったのかなぁ…ルーもお腹が空いているんだろうなぁ…」

クーは少しだけルーをさがすのをあきらめかけていました。

そして、クーがしかたなく帰ろうとすると、どこからか泣き声が聞こえてきます。

みんなのいじわるぼくはウソをついてはいないのにシクシク声のする方に行くと

お花屋さんのたてかんばんのうらからルーのしっぱが見えてきました。

「ルー?ルー?」クーはたてかんばんのうらをのぞきこんでみました。


(7)
クーがたてかんばんのうらをのぞきこんでみると、そこにはルーがすわっていました。

「クー?クー?来てくれたの?ぼくをさがしに?こんなに雨が降っているのに?」

クーに気がついたルーはうれしそうにそう言いました。

うれしそうな顔をしているルーの顔もからだもドロドロでした。

たぶん、どこかのどろだらけの水たまりにころんだのでしょう。

そして、クーはルーのそばによって近くに伸び出ていた葉っぱで

ルーのドロを落としながら言いました。「ルーぼくは大きなネコの話は信じるよ」

自分のひげに付いたドロを落としながらルーが言いました。「うん。うそなんかついていないもの」

そして、しっぽのドロを落としながら、こうも言いました。「でも、スーとミーは信じてくれないよ」

雨がたくさん降ってきて、そらは真っ暗です。2匹は寒くなってきました。

「ルーお腹がすいてきたね。」クーはじぶんのグーグーとなっているお腹を手で押さえながら

さっきのパン屋さんが落としたパンくずの事が気になってきました。

「ルー、もう帰ろうよ。パン屋さんも床のそうじをしてパンくずがなくなってしまうよ」

耳についたドロをおとしているルーは返事をしませんでした。


(8)
「ルーはこのままここにずーといるの?」ルーの顔をのぞきこんでクーはたずねました。

それを聞いてルーは少し上目づかいでクーの顔の方を見あげて小さな声で言いました。

「このまま帰ってもスーとミーにまた笑われるよ。そんな所には帰りたくないよ」

クーは困ってしまいました。 

すると、とつぜんにクーが耳をピンと立てて、大きな声をあげました。

「そうだ!ぼく達でルーの見た、大きなネコをさがしに行けばいいんだよ」

ルーはクーの言った言葉が信じられませんでした。

「さがしに?どうやってさがすの?ぼくは大きなネコがどこに行ったかは見ていないよ」

「だいじょうぶだよ。町の動物たちに聞けば、きっと、だれかが知っているはずさ」

ルーはおもいがけないクーの言葉にどうしていいのかがわかりませんでした。

「とにかく早くさがしに行かないと、大きなネコはどこかに行ってしまって見つからなくなるよ」

「うん、わかったさがしに行こう。大きなネコが見つかったら、ぼくのいう事が

うそではないとわかってくれるよね。」「そうさ。ぼくは信じるからね」

ルーとクーは大きなネコをさがしに行く事になりました。

2匹が空を見上げてみると夜空には星がたくさん。

円い大きなお月さまが2匹に笑いかけているようでした。


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