Blue Roof 童話のページ


「シュシュの夢」

第三章
「不安と希望」


(16)
「アハハ、こっちを見てこのブラックベリー。ルーのかじった前歯のあとがあるよ」

ミーはまだじゅくしていない、青いベリーの実についたルーのかじりあとを見つけたのです。

「ブハハハ!!ルーのやつ食いしん坊だなぁ!」

スーもおなかを抱えて笑ってしまいました。

でも、次の瞬間、急にまじめな顔をして言いました。

「よし、ベリーの落ちている後をたどって行くんだ!早くしないと日がくれてしまうゾ!」

落ちたベリーの道の先は、来た道よりもっと暗くなっていてまるで闇の中のようでした。

シュシュもミーもスーでも、背中の毛が立ってしまうほどの恐いやみです。

「ねぇスー、ほ・ほんとうにこの道に入って行くの?」

シュシュは後ずさりしながらスーに向かって、そうたずねました。

「恐いなら、この先はオレ達で行くからシュシュは引き返してもいいよ」

スーはシュシュがとても恐がっているのに気が付いていました。

「で、でも。。。見てごらん空が暗くなり始めているよ。後ろもあんなに暗くなって…」

ミーが指をさした今来た道は、まるで違う道に感じてしまうくらいに、

暗くなって景色が変わっていたのです。


(17)
たとえシュシュが戻りたくても、隣にいるスー達さえ、

どこにいるか見えないほどに暗くなって来ました。

「わ、わたし一緒について行くわ」

やみの恐さにシュシュの背中の毛は少し立っていました。

「そうだな、一緒の方がきっといいな」

スーは大きくうなずきながら言いました。

そして、薄い月明かりを頼りに3匹は道の奥に少しずつ進んで行きました。

しばらく歩いていると 「わ、わわわ!なんだ〜!」

ミーは何かを踏んだようで、ピョン!と飛び上がりました。

「ミー!なんだ何があったんだ!!あれれ?これは!」

スーは大きな声を上げながらミーの足の下の何かを見ました。

「なんでこんなに沢山落ちているんだ」

そこにはさっきよりも沢山のベリーが落ちていたのです。

「どれどれ」 ミーが足の裏をなめながらのぞきました。

「え?何があるの?」 シュシュものぞいてみました。

「暗くてよく見えないけど、なにか落ちていった跡があるよ」

と、ミーが言いました。

「暗くて何も見えないし、空が明るくなるまでここで野宿するようだな」

「うん、そうだね」ミーが言いました。

「ええ、そうね」シュシュも言いました。

3匹は暗い森の中で朝を迎えることにしました。


(18)
暗やみの中で3匹は寄りそうようにして眠りました。

そして、どのくらいの時間がすぎたのでしょうか、

ミーが夢の中でパンをお腹いっぱいに食べたくらいの

沢山の時間が過ぎていきました。

しだいにあたりは薄明るくなってきましたが、

でも、霧で森の奥がよく見えません。

その時 「そうだ!」

突然にスーが起き上がって空を見上げました。

その声を聞いてシュシュとミーも目をさましました。

「父さんが遠くが見えない時は、高いところに登るといいって言っていたんだよ」

「高いところ!?」

シュシュとミーが声をそろえて言いました。

「うん、どこか高いところはないかなぁ」

スーはキョロキョロと周りを見渡しました。

「あ!あれは?」

ミーが指を差しながら何か見つけました。

それは高く空まで伸びていた、森の中でも一番大きなもみの木でした。

「え? あ、あんな高いところに登るの?」

シュシュは少しふるえた声で言いました。

それを見ていたスーは

「よし!登って来るぞ!」

少し大きな声で言いました。

そして、スーはもみの木までかけより、スルスルと登りはじめました。


NEW!
(19)
スーがもみの木の上の方に着いたころに 

「ねぇ、なにか見えた?」 

木の下の方でミーが聞きました。

「ずっと遠くまで木が沢山あってよくみえないなぁ」

スーはもう少し上まで登ってみました。

 「あ、あっちに川が見えるぞ!あ、あっちには煙が見えるぞ!」

何かを見つけたようです。

「え?なんだって?なんて言ったの?」

スーは高いところまで登っていたのにスルスルと簡単に降りてきて

「なにかを燃やしている煙だよ。それに川も見えたんだ」 

その方向を指差しながらいいました。

ミーとシュシュはスーの指の方向を見ました。

シュシュがいいました。

「煙が見えるという事はきっと人間がいるのね」

「うん、たぶんね。でも、あの川の向こうだから、川を渡らないといけないな」

と、スーは腕を組みながらいいました。

「ねぇ、スー、もしかしてクーとルーは人間につかまってしまったのかなぁ」

「なんだって!!なんてことを言うんだ!!」

ミーがそんなことを突然言い出したものだから,、スーは怒ってカンカンです。

「人間につかまってたまるか。スーもルーもきっと生きているんだ!」

こんどはちょっと涙ぐんでいました。

そして、涙をふきながら突然に

「よし!!あの川を渡って煙の方へ向かうぞ!!」と言い出しました。

それを聞いてミーとシュシュはびっくりしてピョンと立ち上がり

「え〜!!川を渡るの?どうやって渡るつもり?」と聞くと

「簡単さ。あの方法を使えばいいのさ」

スーは胸を張って言いました。



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